「偶然に」見つかる病気のこと

健診・定期検査をうけましょう

北見病院 医長 富田 薫
今回は「偶然に見つかる」ことについてお話しします。
 病気が偶然に見つかるとは、変だと思いませんか?病気なのだから、何らかの症状があって受診して、診断がついて、やはりそうだったか、となるのが普通の流れですね。
この場合は確かに「偶然」ではなく、見つかるべくして見つかる、また見つけてもらわないと困る「必然」的なものです。
しかし、医療の現場では重大な病気が偶然に見つかることはよくあることなのです。

医療の進歩によって

ここでいう「偶然に見つかる」とは、当然のこと症状がない場合で、他の目的で行った検査で見つかったり、人間ドックなどひと通りの検査の過程で見つかったりと様々です。

 こうして考えてみるとこの偶然は、医学の進歩と医療制度の進歩がもたらしてくれたものと分かります。
テレビドラマなどで観る江戸時代でしたら、症状がなければ誰も医者にかからなかったでしょうし、かかることを保障する制度もありませんでしたから。(江戸時代・・・これはさかのぼりすぎましたね)

健診などで見つける努力を

 私の経験で忘れられない患者さんの多くは、偶然に癌が見つかった方々です。
定期的な胃カメラ検査で早期胃癌が見つかった、糖尿病なので腹部エコーをしてみたら腎臓に予想外に大きな癌があった、肺炎の治療中に肺CTを撮ってみたら普通のレントゲン写真では絶対に見つからないだろう場所に癌があったということもありました。

こうした方々は、手術して元気に復帰されています。
 偶然に見つかることが多い病気は、癌以外にもたくさんあります。
目でしたら白内障・緑内障も多い病気です。
中年以降の女性では、子宮筋腫や甲状腺結節など。
怖いところでは、未破裂脳動脈瘤というのもあります。
 しかし、こうした病気も定期的に画像検査をするとか、みずから脳ドックなどを受けるなど、私たち医療機関側と患者さんの、双方の努力がなければ見つけようがありません。

いつもの検査にプラスアルファ

 「偶然」に見つけるためには、いつもの血液・尿検査・レントゲン検査の他に、CT検査、超音波(エコー)検査が有効です。
とくに超音波検査は、体の表面から超音波を当てるだけで、痛くもなく、放射線のように被曝も全くありませんので簡単に安全に、そして何度でも行える検査です。
おなかの臓器をみる腹部エコーや下腹部をみる婦人科エコー・膀胱エコー、甲状腺をみる頸部エコーなどは、偶然病気を見つけるのにもっとも適した検査と言えます。

残念ながら、市民健診やその他の健診には、こうした画像検査が組まれていないことが多いですね。
実は私が経験した偶然見つかった病気の多くも、糖尿病や高血圧など慢性疾患で通院されている方にお勧めした定期検査の中でのことでした。
ですから、厳密に言えば、全くの偶然ではなく、通院中の定期的な検査の結果ですから、「必然」と言えるのかも知れません。

健康に自信がある方も年に一度は健診を

 偶然を待つより、少なくても友の会健診や北見市の市民健診などの自治体健診を利用して、年に一度は健康状態をチェックし、そして症状が出ていない病気を見つける努力をしましょう。