健診を上手に利用して 健康づくりを

北見病院 院長 平野 浩
北見市では八月から市民健康診査がはじまりました。一昨年からサラリーマン世帯の配偶者が対象外となり、今年度は有料化となるなど、健康を守る上で手頃で身近な健診が利用しにくくなってきていることは残念なことです。

今回のなんでも健康相談室は、あらためて年一度の健康診断の大切さを、北見市の市民健康診査の内容にそって平野院長にお話ししていただきました。

コレステロール、血圧、肝機能の異常が上位三つ

 北見市の市民健康診査は肥満度、血圧の測定、尿検査そして血液検査から肝臓機能検査、脂質検査(コレステロール、中性脂肪)、腎臓機能検査、血糖・HbA1c検査、そして心電図検査の内容となっています。

毎年千名以上の方が、北見病院でこの健診を受けられますが、六〇―七〇%の方が有所見者となっており、特に@脂質異常(高コレステロール、高中性脂肪))A血圧値異常 B肝機能異常が上位三つを占めます。

これは他の医療機関でもほぼ同じ傾向です。これら三つをはじめ、市民健診で実施される検査項目は、結果が異常値であってもほとんど自覚症状が無いものばかりです。

そしてこの有所見者の中から少なくない方がその後の精密検査により、糖尿病、腎臓病、慢性肝炎や高血圧、心臓病、時にはすい臓癌や肝臓癌などが発見され早期の治療に結びついています。

上手な市民診査の利用のしかた

@出来るだけ空腹時に採血を
脂質や血糖値は食事時間で左右されますので市民健診での結果判定は空腹時採血という前提でなされます。

したがってなるべく空腹(八時間以上の絶食が必要)で午前中に来院し採血検査することが大切です。

やむをえず食事をした場合や、午後に来院する場合には必ず何時に食事をしたかを医師や看護師に伝えてください。

一般的に食後は血糖値や中性脂肪の値は上がりますが、最近ではこの食後の高中性脂肪、食後高血糖値が心血管系・動脈硬化性疾患の発症に大きく関与していることがわかってきており、食後の中性脂肪値や血糖値も判定の参考となります。

A体調の変化をまとめておく
市民健診ですべての病気がわかるわけではありません。

ご自分の体調(特に体重減少、便通異常、咳・痰の持続、腹痛、胸痛、女性なら不正出血、男性なら排尿困難・頻尿など)の変化や不安な点をまとめメモをしておき、受診時に医師に伝えてください。

健診ではわからない病気発見の糸口になります。

B「異常あり」の結果を放置しないこと
市民健診で「有所見、異常あり」と指摘された場合は、極力受診し医師と相談してください。

毎年、異常があるのをそのまま放置し、病気の発見や治療の時期を逸してしまう方がいらっしゃいます。

結果を総合的にみる
「死の四重奏」に注意

 耐糖能障害(境界型糖尿病)、高中性脂肪、高血圧、上半身肥満(内臓型肥満)の四つの因子を持っている人は、心血管系・動脈硬化系疾患が有意に発症しやすいことがわかっており、「死の四重奏」として注意喚起されています。

健診の結果からもこのことが推測できます。

図2の中の項目が三つ以上ある方は要注意。医師と相談してください。

健康づくり・健康チェックに
 各自治体の健診・友の会健診の利用を

 健診は、ご自分の健康状態と生活習慣のチェックになり、健康づくりには欠かせません。

また、健診を毎年受けることで体の変化、生活の変化が把握しやすくなり、病気の早期発見につながります。

北見市の市民健診は、対象者の四人に一人程度しか利用されていません。

ぜひたくさんの方が健診を受けられ、ご自分の健康チェックに役立てることを望みます。

自治体健診を受けることが出来ない場合は、友の会健診をご利用ください。

図1 

北見病院の市民健診結果内訳
項目 割合(%)
高脂血症
28.3
高血圧疑い
17.0
心電図異常
9.4
尿潜血
8.4
糖尿病
3.6
貧血
5.8
肝機能障害
10.2
尿糖
3.8
尿蛋白
2.4
腎障害
1.3





図2  3つ以上あてはまる場合は、医師に相談を
1. BMI≧25 
(BMI:体格指数=体重kg÷身長m÷身長m) 
ウエスト:男≧85p、女≧90p 
2. 血中トリグリセライド ≧150r/?
3. HDL-コレステロール 男<38r/?、女<43r/?
4. 血圧  ≧130/85oHg
5. 血糖  ≧110r/? (空腹時の採血)

National Cholesterol Education Program (NCEP)
Adult Treatment Panel (ATP)V (一部改変)