サプリメントってなに 

薬剤科主任 丸山英孝
 
 「仕事がきつくて疲労が抜けない」、「食生活が乱れがち」。
 ストレスの多い世の中で、みなさんもこのような悩みと無縁ではないと思います。
 また、「スマートな体形を維持したい」、「 いになりたい」という望みも多くの方が持っています。
 この悩みを解決するものとしてサプリメントに対する期待は大きなものとなっています。

 食品のように手軽で、医薬品のように効果があるものとして「健康食品」は、市場を拡大してきました。
 最近はアメリカのブームの影響を受け、英語の「ダイエタリー・サプリメント」を略した「サプリメント」(=サプリ)という言葉がもてはやされるようになりました。


健康維持のためには必要?
 しかし、いま売られているものには、成分がきちんと含まれているか怪しい商品や、効能が誇張されて宣伝されているものも少なくありません。

 健康によいことをするためには、売っている側の一方的な情報だけでなく、批判的な情報も入手して自衛することが必要です。
 サプリメントは、健康を保つのに絶対必要なものではありません。嗜好品と同じように考え、試してみてもよいのですが、自分の懐具合を考えてムリがない範囲でつきあうことです。

賢い消費者になろう
 テレビをはじめとしたマスコミでは、「サプリメント」の宣伝が盛んにおこなわれ、コマーシャルのスタイルではなくTV番組の中で推奨している場合も見られます。
 また、仲間内での口コミ宣伝もあり、いつの間にか健康維持のためにサプリメントをとらないといけないかのような気にさせられています。 
 巧みな宣伝にまどわされず、消費者と医療の専門家が一緒になって評価をしていくことが大切です。
 高いお金を払ったにもかかわらず、効果を上げないマヤカシの商品もあります。古くから売られているから、大手企業が販売しているから、ということだけでは信用できません。

安全性は大丈夫?
 病院にかかりながらサプリメントを使用している患者さんは少なくありません。
 医薬品との飲みあわせが問題となっているものもありますが、治療には直接関係がないと思っているためか、医師や薬剤師にそのことを伝えてくださる方は少ないです。
 また以前には、中国製健康食品で四名の死者を含む健康被害が出たことを覚えておられるでしょうか。安全性にも注意が必要です。
 忙しい世の中で、次々と新しい情報が押し寄せてきます。みなさんが賢い消費者となって、自分のいのちと健康を守っていけるように、サプリメント関連の商品についていっしょに考えていきたいと思います。次回は、サプリメントの正体をもう少し詳しく追求してみましょう。



ダイエットに効くサプリメントは?

肥満は現代人の大きな悩みの一つです。サプリメント(栄養補助食品)や健康食品の宣伝で「やせる」ことをうたっている商品はたくさんありますが、さて効果はどうでしょうか。

結論から言うと、食事を工夫したり運動をすることなしに、サプリメントだけで体重が減少することはありません。

食事からとったカロリーは、いのちをささえる基礎代謝と、活動するための運動エネルギーとして使われます。
やせるというサプリメントの体重減少のメカニズムは、カロリーの消費を増やすか、食品からの栄養分の吸収を抑えるか、どちらかです。

最近は、体脂肪を減らすという表現もよく使われていますが、運動エネルギーとして消費しないかぎり、脂肪が消えることはまずありません。(全日本民医連『いつでも元気』二〇〇五年三月号「くすりのはなし」より)

バランスの良い食事と運動を基本に

いまアミノ酸が大ブームですが、以前はプロテイン(たんぱく質)が同じような「効能」で盛んに宣伝されていました。

 過酷な運動をおこなうスポーツ選手が、筋肉痛や運動障害を軽減するためにプロテインやアミノ酸を補給することは、医学的に有効とされています。

しかし、筋肉を守るために運動直後にアミノ酸をとる場合は、アメリカの研究では10gは必要とされています。しかし清涼飲料水には500ml中に1gのアミノ酸しか入っていませんので、その効果には疑問が残ります。

また、普通の生活をしている方が、食事に追加してたんぱく質やアミノ酸をとる必要はなく、バランスの良い食事と運動が健康づくりの上で一番大切であることはいうまでもありません。

お茶で血糖が下がるの?

 「血糖が気になる方に」や「お茶で血糖が下がりました」の宣伝も目立ちますがどうでしょう。

富山医薬大の研究グループが、お茶と糖尿病に関して動物(ラット)をつかった実験を行ない、お茶には血糖を下げる効果と飲み薬の血糖降下薬の作用を強める効果があるとの実験結果を発表しています。

緑茶中のポリフェノールが糖質や炭水化物の分解・吸収を抑えることによって血糖が下がるとしています。

ただ、糖尿病のように症状の進んだ人の血糖値を下げるまでの効果は期待できず、お茶を飲んでいるから大丈夫ということでは決してありません。血糖が気になる方は、まずは食事の管理をしっかりおこなって、その上でお茶なども利用してみるくらいが良いのではないでしょうか。

お茶の効用いろいろ

緑茶にはビタミンCが豊富で生野菜の不足しがちな冬場には、貴重なビタミンCの供給源となっていることは広く知られています。
ビタミンCは葉が新しいほど豊富で、茎より葉のほうに多く含まれています。しかし同じお茶でも、紅茶やウーロン茶には、ビタミンCはほとんど含まれていません。
また、お茶にはカフェインが含まれていて、神経興奮作用や強心作用、利尿作用があり、眠気をさまし疲れを取る効果があります。

カフェインは、緑茶よりも紅茶のほうに多く含まれていますが、ウーロン茶にも緑茶と同じくらいのカフェインが含まれていますので、小さい子供に水がわりにウーロン茶を飲ませるのは控えたほうが良いでしょう。

また、寝る前にお茶をたくさん飲むと、安眠がそこなわれることがありますのでご注意を。

お茶の渋み成分であるタンニンには、下痢止めや炎症をおさえる働きがあります。
のどが痛いときにお茶でうがいをするといいと言われるのは、この炎症を押さえる働きのためでしょう。

宣伝文句にひかれますが・・

 サプリメントやお茶・健康食品などで、簡単に手軽に健康が手に入るような情報が次々と押し寄せてきます。
あやしいものには手を出さないことはもちろん、効能が誇張され宣伝されているものも少なくないことを理解する必要があります。
お茶などは試してみるのも良いのですが、懐具合をみながら嗜好品と同じように考え、楽しむ程度にすると良いと思います。