血圧のはなし

北見病院医師
矢崎弘志

血圧ほど身近な健康に関する話題はないのではないでしょうか。
北見病院で過去一年間に生活習慣病として来院された外来患者さん三五四一名のうち、高血圧症の患者さんの割合は約三〇%で第一位でした。
第二位は高脂血症で十八%、第三位は糖尿病で十七%ですから、その多さがわかりますね。

それでも、140/80mmHg以上を高血圧症とした場合、三〇〜四〇歳代では八〇〜九〇%の人が未治療、五〇歳代では六五%の人が未治療であると報告されています。
今回は、この身近な血圧についてお話します。

血圧とは?
血液は心臓のポンプ作用によって体内に送られますが、その血液の圧力が動脈壁に及ぼす力が血圧です。
心臓から離れるに従って低くなり、それで血液は体の隅々まで流れることができるのです。

測定の結果、例えば120/80mmHgと表示されたとすると、120は収縮期血圧(上)、80は拡張期血圧(下)のことですから、心臓が収縮したときに血管に及ぼす圧力が120mmHg、心臓が弛緩(拡張)したときは80mmHgということになります。

さて、血圧の単位である「mmHg」とはどんな意味かご存知でしょうか?Hgとは水銀(血圧計の目盛りを上下する銀色の液体)のことですから、120mmHgとは、心臓が収縮したとき血液が動脈の壁を「水銀(比重は水の11倍)を120mm(12cm)押し上げる力」で押しているということになります。

ですから、もし水銀が水であれば132(=12x11)cm吹き上げる位の圧力が心臓から動脈に加わっていることになります。
ちょっとした噴水のイメージです。心臓の収縮力がいかに強いかがわかりますね。

家庭でも血圧測定を
みなさんのお宅に血圧計はありますか?
家庭用血圧計には、上腕で測るものと手首で測るものがあります。
手首で測るものは血管を正しく圧迫することが難しく、誤差が大きいと言われています。
測定法には、コロトコフ法(血流変化による音を感知)とオシロメトリック法(血流変化による振動波を感知)がありますが、どちらでも構わないと思います。

血圧は時間や場所によって変動します。
一般的に午前十一時頃が一番高く、午前二時頃が一番低いと言われています。
またWHO(世界保健機関)のガイドラインによれば、家庭血圧125/80mmHgが診療所血圧140/90mmHgに相当すると報告されており、家庭血圧は低めに出る傾向があることは知っておく必要があります。

このように変動がある血圧ですが、みなさんも(まだない人は血圧計を購入して)時間を決めて血圧を測定し、健康づくりに役立てましょう。

家庭での血圧測定の注意点

朝は、起床後1時間以内、坐位で3~5分間の安静後でお薬を飲む前(食事前)
晩は、就寝前、坐位で3~5分間の安静後

血圧計は心臓(乳輪)の高さで測定する

カフェイン(コーヒー)、タバコの摂取は一過性に上昇するので測定前30分は禁

(2003年高血圧学会 家庭血圧測定ガイドラインから)