すてるウンコでひろう命

北見病院放射線科
主任 黒澤久司

がん死のトップ
女性は「大腸がん」
 日本人の三人に一人はがんが原因で亡くなっています。
部位ごとにみると、平成十五年の資料では、女性は「大腸がん」がもっとも多くがん死亡の14.6%を占め、次いで「胃がん」となっています。
 一方、男性では「肺がん」が最も多くがん死亡の22.3%を占めていますが、次いで「胃がん」「肝臓がん」「大腸がん」の順となっています。
  簡単に計算すると、日本人三十人のうち十人ががんで亡くなり、その十人のうち一人以上が大腸がんで亡くなっていることになります。

自宅で出来るもっとも簡単ながん検診
 便潜血反応検査
 大腸がん検診として普及している便潜血反応検査は、自宅で専用容器に便を採って送るだけという、もっとも簡単で手軽な検診です。有効性も科学的に証明されています。
 便潜血検査にはいくつかの検査方法がありますが、北見病院で採用している免疫法は、人の血液中のヘモグロビンだけを検出する方法で、食べ物や鉄剤(貧血の薬)の影響を受けず、大腸がんなどの出血(下部消化管出血)の診断に最適とされています。

 ただし、便潜血反応検査は「大腸がん」そのものを検査するのではなく、便に混じった目に見えない微量な血液の有無を検査するため、たまたま出血がなかった場合や、便の採取方法が不十分であったりすると潜血陰性(−)の結果が出ます。
 ですから、二日続けて検査をし、精度を上げるようにしています。(二日法での検出率は、一日法より1.3倍高い)

自覚症状がある場合は
内視鏡やバリウムを
 大腸がんは、早期のがんであればほぼ完全に治療でき、進行がんとなってしまった状態でも半数は完治できるといわれています。
 表1に示したような自覚症状がある場合は便潜血反応検査ではなく、注腸バリウム検査や大腸内視鏡検査で、直接大腸を調べる必要性があります。
表1 こんな症状は注意!
○ 便に血液が付いたり、混じったりしている。
○ よく下痢や便秘になる。
○ 排便をしても、まだ残っている感じがする(残便感)。
○ 粘液や泥のような便が出て、トイレに何度も通ってしまう。
○ 原因のわからない貧血がある。
○ お腹にしこりがある。
○ お腹が張る。
○ 何となく下腹が痛い。

 また、便潜血が陽性(+)の結果であったり、便や肛門をふき取った紙に血が付いたりしていても、痔と勝手に思い込んで手遅れになるケースも少なくありません。便に血が混じることは通常はありませんので、必ず検査を受けるようにしましょう。

友の会員は500円で
 北見病院では、北見市民健康診査(北見自治区にお住まいの方が対象)に合わせて、友の会員のみなさんに大腸がん検診(五百円)と肺がんの早期発見のための胸部レントゲン写真(無料)を合わせて実施しています。年に一度の健康チェックにご利用ください。