コレステロールの話 

北見病院医師
水上健一

健康診断などで、「コレステロールが高い」と指摘されたことのある方は、多いと思います。なぜコレステロールが高いと良くないのか。コレステロールが高くなる原因と治療についてお話をします。

コレステロールは4種類

コレステロールとは血液中にある脂肪のことで、普通の血液検査で見られるものとしては大きく四種類に分けられます。

○ 食事でとった脂肪分が分解してできる中性脂肪(TG:トリグリセリド)、
○ 一般に「悪玉」といわれるLDLコレステロール
○ 善玉といわれるHDLコレステロール
○ 脂質全体を表す総コレステロール(TCHO)

病気としての高脂血症というのは@総コレステロール 220以上、ALDLコレステロール 140以上、B中性脂肪 150以上(空腹時)のどれかを満たすもののことです。
これに加えCHDLコレステロール 40以下を低HDLコレステロール血症と言い、脂質異常のひとつとします。


症状はなくても、全身状態のチェックを

高脂血症の原因としては、ほかの病気や薬によって起こるものや、遺伝によって起こるものも十%程度ありますが、大部分は生活習慣によって起こると考えられています。

自覚症状はほとんどなく、たまに上のまぶたに黄色い盛り上がり(黄色腫)ができることがあります。
そう聞くと「症状がないなら放っておいてもいいじゃないか」と思われる方もいると思いますが、高脂血症の一番の問題点は「動脈硬化を進展させる」ことです。

これにより狭心症や、心筋梗塞などの心血管障害、脳血管障害(脳卒中)になる確率が健康な人より上がります。
総コレステロールが300の方は、200の方と比べて心血管障害の発生する確率が四倍になると言われています。
また、内臓脂肪型肥満の状態での高脂血症は、耐糖能異常や高血圧などをあわせもつことが多く、メタボリックシンドロームと呼ばれ動脈硬化の危険度が高くなることがわかっています。

したがって健診で高脂血症を指摘された方は、一度は病院を受診し全身状態のチェックをしてもらうようにしましょう。
高脂血症の治療である食事・運動療法については次回お話します。


高脂血症の診断基準(空腹時採血:血液脂質値)
高コレステロール血症 総コレステロール 220mg/dl以上
高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール140mg/dl以上
高トリグリセリド血症中性脂肪 150mg/dl以上

低HDLコレステロール40mg/dl 未満
「高脂血症」という診断基準としては低HDLコレステロール血症は該当しないが、動脈硬化を引き起こす脂質異常として低HDLコレステロール血症の認識は重要。


高脂血症の食事療法について

前回は高脂血症の定義についてお話しましたが、今回は治療の基本となる食事療法についてお話します。

まず、食事の量について一日の総摂取カロリー(kcal)を標準体重×25〜30kcalとします。
ここでいう標準体重(kg)は身長(m)×身長(m)×22となります。
たとえば身長160cmの方の場合、標準体重=1.6×1.6×22=56.3sなので、総摂取カロリー=56.3×25〜30=1408〜1689kcalとなります。
普段の生活のきつさなどを元にカロリーを決定しましょう。最近はカロリー表示をしている食品が多いので、それらを参考にしましょう。

できることからはじめよう

たんぱく質や脂肪については、獣鳥肉と魚や大豆製品からバランスよくとるようにしましょう。
特に肉の脂身や鳥の皮はコレステロールが高いので注意が必要です。
コレステロールの摂取は1日300mg以下(ちなみに卵一個が260mgのコレステロールを含んでいます)にしましょう。
また野菜類に含まれる食物繊維は満腹感を増し、糖分の吸収を遅くするので積極的にとりましょう。

アルコールについてはビールなら350ml、日本酒なら1合程度に抑えましょう。
積極的にとったほうが良い食品、ひかえめにしたほうがよい食品など図を参考にバランスよくとりましょう。

食事を変えるのということは非常にストレスを強いられることですが、健康な生活を営むためにも、できることから少しずつ食事を変えていきましょう。