覚えておきたい体のサイン−足のむくみ

北見病院医師
水上 健一 

 外来でしばしば「足がむくむ」あるいは「腫れる」というお話をうかがうことがありますが、これを医学用語では「浮腫=ふしゅ」といいます。これはどういう状態なのでしょうか?

血管と細胞の間の水分が増える

 私たちの体の約60%は水分です。
 内訳は細胞の中に40%、血管の中に5%、そして血管と細胞の間(間質)に15%です。
 浮腫というのは、この間質部分の水分が異常に増えることによって起こります。
 足のすねの部分を指で圧迫し離すと、通常皮膚はすぐ元に戻りますが、浮腫のある場合は、圧迫した跡がしばらくへこんだままになってしまいます。

浮腫を起こす病気はたくさんあります

朝はなんともないが、日中立ち仕事をずっと行っていると夕方むくみ、朝になるとまた元に戻っているというタイプは「起立性浮腫」といわれ、基本的に治療の必要はありません。

逆に問題となってくる浮腫の原因として代表的なものは、@心臓、A肝臓、B腎臓、C薬物、Dその他などです。

@ 心臓については心筋梗塞、心筋症、弁膜症、肺梗塞などで心臓が血液を充分全身に送り出せなくなったときに浮腫を生じます。検査としては胸部レントゲン、心臓エコー検査、心電図などを行います。

A 肝臓についてはウイルスやアルコールなどによる肝硬変で浮腫が起こり、黄疸、倦怠感、腹水貯留などを伴います。検査としては腹部エコー、血液検査などを行います。

B 腎臓については慢性腎炎、膠原病、糖尿病などによって浮腫が起こります。検査としては尿検査、血液検査を行います。

C 薬物については痛み止め、ホルモン剤、降圧薬や漢方薬でしばしば浮腫を引き起こします。むくみで受診するときは、お薬手帳を持参してください。

D その他としては甲状腺の病気や、アルコール多飲などによる栄養不良(脚気など)などが浮腫の原因となることがあります。
一度は受診をしましょう

治療に関してはそれぞれの疾患で異なりますが、比較的多く使われるのは尿を多く出して、体内の水分を減らす薬(利尿薬)です。

いずれにしても足の浮腫というのは医師にとっても気になる体のサインですので、一度は受診するようにしてください。

むくみ(浮腫)のサイン

○ まぶたの周りがはれぼったい
○ 小じわが消えた
○ 指輪がきつくなる、抜けない
○ 靴下の跡がいつまでも残る
○ 靴がきつくなった
○ 体重が増える

日ごろからチェックしましょう