糖尿病ありふれた恐ろしい病気

北見病院 医長
富田 薫

2月に糖尿病をテーマにした医療講演会を2回に分けて開催しました。講演内容を要約してご紹介します。

 昨年、国際糖尿病連合は、世界の糖尿病患者数は2億3千万人以上で、成人人口の6%に相当すると発表、しかも今後20年間で3億5千万人に達すると予想しています。
 日本での比率はもっと多く、全人口の10%、10人に1人は糖尿病とみられていますが、約半数は未治療の状態です。
 
健診で指摘されても
受診されないケース多い

 外来で糖尿病と診断される方の多くは、健康診断で高血糖や尿糖を指摘されて来院するか、別の病気で通院していて、定期の血液・尿検査で疑われたという方です。
 しかし、自覚症状の出にくい病気のため、健診で指摘されても受診されないケースも多いのです。
 糖尿病かどうかをまず疑う検査としては、簡便なものでは尿検査があります。市販されており、自宅で調べることもできます。

ブドウ糖負荷試験で診断

 受診された場合、尿検査だけで糖尿病と診断することはなく、血液検査が必ず行われます。
 一回の血液検査で診断が確定することもありますが、多くの場合はブドウ糖負荷試験という検査を受けていただくことになります。
 この検査では、糖尿病にはなっていない場合でも、どれくらい糖尿病に近いかを調べることができます。
 たとえば空腹時の血糖が正常値でも食後血糖が高いことがあり、その場合は糖尿病と診断されなくとも、食事療法や運動療法などの積極的な治療の対象となります。
 自分はまだ糖尿病とは言われなかったと、安心はできません。
 糖尿病になるまでには、長い年数が経過しているわけですが、その間にも徐々に高血糖による動脈硬化は進んでしまっています。
 糖尿病と言われる前に、その進行を止めなくてはなりません。
 


@ 健康な状態:食事をすると血糖値が上がりますが、せいぜい140mg/dl止まりで、空腹時には下がります。

A 糖尿病の人:食後の血糖の上がり方が大きく、尿糖が出る血糖値(160〜180mg/dl)を超える時間が多くなっていますが、自覚症状はほとんどありません。

B 進行した糖尿病:朝食前の血糖が200mg/dlを超えています。



正しい知識と理解で
予防可能な病気

 糖尿病は寿命を縮める要因であり、世界の糖尿病に関連した病気による死亡数は毎年300万人以上で、10秒に1人が糖尿病で亡くなっている計算です。
 さらに、国際糖尿病連合は糖尿病による死亡率が、今後10年間に25%増加するだろうと予測しています。
 糖尿病はたいへん恐ろしい病気ですが、正しい知識と理解を持って立ち向かえば、予防可能な病気です。
 そのためにも、ぜひ健康診断をうまく利用してください。

次回は兼田和江外来師長(日本糖尿病療養指導師)の「フットケアについて」と河津s子管理栄養士の「食事療法について」紹介予定です。