糖尿病---三大合併症とフットケア

北見病院外来看護師長
兼田 和江
(日本糖尿病療養指導士)

糖尿病をテーマにした医療講演会を開催しました。講演内容を要約して紹介しています。
2回目は、兼田和江外来看護師長の「糖尿病の合併症とフットケア」について掲載します。

 
糖尿病はなぜこわいのか?

血液中のブドウ糖が増えた状態が続くと、全身の血管が障害されます。そして本人が気づかないうちに、病状が進行してしまうからこわいのです。
様々な合併症が起きて、はじめて医療機関を受診したという方も少なくありません。

3大合併症

動脈硬化は加齢にともなって誰にでも起こるといわれていますが、糖尿病や高脂血症、肥満、高血圧があると進行が促進されます。糖尿病による動脈硬化は、ごく初期のころからはじまると考えられており、進行すると心筋梗塞など重大な病気を引き起こしやすくなります。
合併症の進行の早さは、(血糖値の高さ×罹患期間)によって決まります。血糖値が高ければ高いほど、糖尿病にかかっている期間が長ければ長いほど合併症が進行しやすくなります。高血糖が指摘された場合は、すぐに血糖コントロールをはじめることがたいせつです。




神経障害

初期の症状は足先のしびれ感で、進行すると痛みや熱さの感覚が麻痺してきます。そのため、足の裏などにけがを負っても気づかず、壊疽を起こしてしまう事があります。場合によっては足の一部を切断しなければならなくなることもあります。

網膜症

 眼球の内側を覆っている網膜の血管が障害され、網膜に出血が起きたりします。この段階でも視力は低下しますが、適切な治療を受けずに放置すると網膜がはがれて、失明に至ることもあります。

腎症

高血糖によって腎臓の毛細血管が障害されるため、血液を濾過して老廃物を排泄することができなくなってくるのです。進行すると「腎不全」の状態になり、透析療法が必要になります。

なぜフットケアが必要なのか?

1. 神経症障害によって足の感覚が鈍くなり、たこや傷・水虫に気づきにくくなります。処置が遅れることによって病気が進行してしまう。
2. 動脈硬化が進み、足の血管が細くなり血液が十分に流れなくなる。
3. 細菌に対する抵抗力が弱いので化膿しやすい。
 フットケアのポイントを図で紹介します。参考にしてください。

@毎日、足を観察しましょう。
入浴時や爪を切るときには、傷ややけど、タコ、水虫、皮膚が変色していないかなどをかならずチェックします。



A足の清潔を保ちましょう。
 足の裏や指の間もていねいにあらいましょう。洗ったあとは水分をよく拭き取ります。皮膚が乾燥しやすい人は、クリームを塗りましょう。



B爪は正しく切りましょう。
 伸びた爪はけがのもとですが、深爪も危険。爪を切るときには皮膚を傷つけないようにし、爪の先がまっすぐになるように切りましょう。