いびきと睡眠時無呼吸症候群

北見病院医師
松田 玲奈

 人生の1/3は睡眠です。

 良い睡眠は、いかにして良い人生を送るかという問題と直結しているともいえます。

 睡眠への関心が高くなっていますが、いびきや無呼吸に悩まされている方も多いと思います。

 松田玲奈医師に睡眠時無呼吸症候群について解説していただきました。

 
 いびきをかいていると、気持ちよく寝ているようにみえますが、本当にそうなのでしょうか?

 いびきは上気道の空気の通り道が狭くなることで起こりますが、風邪をひいて扁桃腺がはれたり、鼻づまりになったり、飲酒後や睡眠薬を使ったときなどに起こるいびきは心配ありません。

睡眠時無呼吸症候群の原因

・肥満のため首が太く、気道を塞いでしまう。
・舌が大きく喉を塞いでしまう。
・軟口蓋と呼ばれる鼻と喉の境の部分が垂れ下がる。
・顎が小さい、後退しているため、気道の断面積がもともと小さい。
・鼻の空気の通り道が曲がっている。
・扁桃が大きかったり、アデノイドがある。
・寝ているときに喉がふさがりやすい体質

 いびきをかいているうちに上気道が閉塞すると、一時的に呼吸が停止します。

 これが一定以上生じると「睡眠時無呼吸症候群」という病気なのです。



生活習慣病を呼び込む

 睡眠時無呼吸症候群とは、10秒以上の無呼吸(呼吸停止)を一晩7時間の睡眠中に30回以上、あるいは1時間当たりに5回以上起こすものです。主に、いびきや昼間の眠気、熟睡感がない、起床時の頭痛などの症状があります。

 眠気で交通事故を起こすなどの危険性も高まりますが、この病気の本当の怖さはもっと別のところにあるのです。
 夜の無呼吸状態が体に悪影響を与え、じわじわと体を蝕み、高血圧や心臓病・脳卒中・糖尿病など生活習慣病を引き起こすのです。早期に適切な治療をすることは、生活習慣病を改善する上でも大切です。

一泊入院で検査

 問診などで睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると判断された場合は、診断装置を用いた検査に進みます。
無呼吸は夜発生するため、その状態をしっかり測定するために通常は一晩入院し検査を行います。

 呼吸センサー(鼻と口)や呼吸運動センサー(胸腹部)、体内の酸素の濃度を調べるセンサー(指)などを付けますので、窮屈に感じるかもしれませんが、針を刺すなどの痛みを伴うものはありませんので、リラックスしていつもの睡眠をとるようにしてください。

 北見病院でも検査の準備をしていますので、思い当たる症状がある場合はご相談ください。

治療は生活習慣の見直しから

 睡眠時無呼吸症候群は、生活習慣と密接に関係していますので、治療の第一歩は生活習慣を見直すことからはじまります。

 肥満の方は生活に運動を取り入れたり、晩酌をされる方は量を減らしたりすることで、無呼吸が軽減する場合があります。睡眠薬の中には無呼吸を悪化させるものもありますので注意が必要です。

 睡眠時だけ鼻に取り付けた専用マスクから、気道に空気を送り込み、気道を広げて呼吸の通りを確保するCPAP治療(経鼻的持続陽圧呼吸療法)や、専用のマウスピースをつける治療法の他、耳鼻科手術などもあります。