高血圧と薬

北見病院薬剤科
主任 上牧 弘幸

高血圧は最も患者数の多い病気で、日本人の3人に一人が高血圧と言われており、50歳以上では2人に一人と言われています。
高血圧の治療に良く使われる薬について紹介します。


なぜ、高血圧が良くないか?

「血圧が高くても、痛くもかゆくもない。でも先生は血圧下げなきゃダメだなっていうから仕方なく・・・」
高血圧はサイレントキラー(沈黙の殺人者)とも言われる病気です、その理由はほとんど自覚症状がなく突然、致命的な疾患を引き起こす引き金となるからです。
代表的な病気に脳出血、脳梗塞、心筋梗塞など血管の障害や、腎不全、心不全などがあります。
これらの病気は血圧だけが原因ではありませんが、高血圧により可能性は高くなるので、血圧を下げておく必要があるわけです。


グレープフルーツが

薬の効果に影響することも
血圧の薬で、グレープフルーツと一緒に飲むと良くないというものがあります。カルシウム拮抗薬というグループに属する薬がそうなのですが、アムロジンやジルベイトはほとんど影響がないといわれています。

逆にリオハードは薬の力を4倍近く強くすると言われており、薬と離して飲んでも影響があり注意が必要です。


大切なのは減塩

薬物による治療も大切ですが、高血圧の治療には欠かせないのは生活習慣の改善で、野菜、果物を多めにとり、運動して減量、酒は適量、タバコは控える。そして一番大事なのが「減塩」です。

日本人は一日平均11〜12gの食塩を摂取しているといいます。
世界の基準では高血圧の人は一日6g以下にするようにと言われています。これは昔から海の幸を主菜とし冬の野菜は漬け物で摂っていた日本の食卓には、かなり難しいでしょう。

ただ、現代日本では冬でもスーパーで野菜を売っていて(高いですが)、食卓も工夫しだいで変えることができるはずです。高血圧になったから、減塩ではなく、日頃から気をつけることが大切です。


【高血圧の薬と副作用の特徴】

血圧の薬と言っても世の中には多くの薬がありますが、大きく分けると6種類のグループに分けることができます。
気になる副作用は、グループ毎の特徴と、特定の薬のみに表れるものとあります。

グループ
北見病院で使用している薬剤名
特徴
副作用
1カルシウム拮抗薬 アムロジン、セパミットR、リオハード、
サリペックスLA、ジルベイト
確実な効果が期待できる
現在、一番使われている薬
頭痛、動悸、歯肉肥厚など
2ACE阻害薬セタプリル心臓の負担を減らしてくれる空咳(「たん」のからまない乾いた咳)
3ARBブロプレス 腎臓や心臓などを保護してくれる
副作用が少ない
特になし
4β遮断薬 トーワミン、アーチスト、ソラシロール、
セロケン
若い世代の高血圧に気管支喘息を悪化させるので使用できない方がいる。脈が遅くなる
5α遮断薬カルバドゲン早朝に血圧が上がるタイプの人に効果的起立性低血圧(立ちくらみ)
6利尿剤 トリスメン、ラシックス、フロセミド、
スピロノラクトン
余分な水分や塩分を体の外に出し、他の血圧の薬を効きやすくしてくれる電解質の異常