糖尿病予防の運動

北見病院糖尿病グループ


8月29日の健康まつりで行われた医療講演会の一部を紙面でご紹介します。(紙面の都合で一部加筆、修正しています)

運動にはどんな効果があるの?

糖尿病の原因は、高血糖が持続することです。これに対し運動することで身体に様々な反応が起き、血糖値を下げることができます。

・ 運動をすると、身体がエネルギーを要求して、血液中のブドウ糖が細胞内に取り込まれ血糖値が低下します。

・ 身体の筋肉量が増えると、その分エネルギー(血糖も)が消費されるようになります。

・ 運動した筋肉は、血糖を低下させるホルモンのインスリンの効き目が良くなり、より多くの糖を取り込めるようになります。

・ 血液循環が良くなるとエネルギーの供給量が増え、より効率的に糖を取り込むことができます。

・ 高血糖は動脈硬化の原因になります。逆にインスリンは脂肪分解を促進させ動脈硬化を予防します。

・ 運動はストレス解消、身体機能改善、糖尿病予防に効果があります。


効果的な運動は?

運動には有酸素運動無酸素運動があります。糖尿病予防に有効なのは有酸素運動です。(イラスト参照)

無酸素運動とは全力疾走や腕立て伏せ等、瞬間的に強い力を出す、息を止めて行う運動です。筋力強化に効果があるので有酸素運動と並行して行うと理想的です。しかし心臓に強い負担がかかるので、高血圧や心臓病の持病のある方は医師に相談してください。

図の有酸素運動でも、体力が無い方には負担が大きく、無酸素運動となることがあります。そのため最初は負担が小さく、誰にでも出来るウォーキングからはじめると良いでしょう。


運動のポイント

・ 運動の実施は食後30分〜1時間後。食後の高血糖を防ぐ目的があります。

・ 強度は「ややきつい」程度です。強すぎる運動はインスリンの効果を抑制し、糖分の消費は増えますが、脂肪の消費量は減少します。痩せる目的の運動も中等度が望ましいです。(表を参照)


・ 運動の急な開始・終了は筋肉や心臓に負担をかけます。ウォーキングであれば、最初の5分間はゆっくり歩き、やめるときは5分ほどかけ、徐々にペースを落とします。

・ 運動による血糖低下の効果は48時間続きますので、週に3〜4回でも効果があります。

・ 血糖低下には30分程の持続的な運動が必要です。休憩を挟んでも効果はあります。マイペースでの運動習慣を作りましょう。

・ 運動は適切な姿勢で行うことで、より効果を高めることができます。(イラスト参考)

運動の注意

・ 運動中に、体重の増加を避けるのに水分を我慢する方がいます。しかし水を摂らないと血液循環が悪くなります。減らすべきは脂肪であり水分ではありません。水分摂取はしっかり行いましょう。また、起床後は発汗によって水分が失われているため、早朝に運動する際は特に水分摂取が必要です。

・ 体調不良時には無理をしないでください。強い動悸やめまい、ふらつき、胸の痛みや苦しさ、冷や汗、空腹感などと関節や筋肉に痛みを感じた時にも運動を中止しましょう。

・ 服装は気候にあわせましょう。減量のため、厚着をする方がいますが、動きにくいうえ、熱中症の危険性もあります。逆に寒いのを我慢して運動すると血圧が上昇し危険です。

・ 最後に、運動しても食事が乱れていると改善は望めません。食生活にも気を付けましょう。