高血圧と薬

北見病院薬剤科
 科長 上牧弘幸

 
なぜ高血圧は良くないの?

日本人の3人に1人は高血圧で、50歳以上では2人に1人と言われます。
「血圧が高くても、痛くもかゆくもないけど先生が下げなきゃダメだっていうから仕方なく…」。
これでは、ちょっと自分の体のために頑張ろう、という気持ちになっていないようですね。

高血圧は沈黙の殺人者!

恐ろしい表現ですが、その理由は、ほとんど自覚症状がなく突然、致命的な疾患の引き金となるからです。
その疾患とは、脳出血、脳梗塞、心筋梗塞や腎不全、心不全、狭心症などです。
原因は高血圧だけではないのですが、危険性が高くなるので、血圧を下げる必要があるわけですね。

血圧の薬もいろいろ

ひとくちに血圧の薬と言っても沢山あり、日本では、後発品(ジェネリック)を除いても約80種類、後発品などをいれるとさらに増えます。
しかし大きく分けると6種類のグループ(表1)に分けることができます。

グループ
当院で使用している薬剤名
特徴
カルシウム拮抗薬 アムロジピン、セパミットR、リオハード、サリペックスLA、ジルベイト確実な効果が期待できる
ACE阻害薬セタプリル 心臓や腎臓などの臓器保護作用に優れる
ARBブロプレス副作用が少ない
β遮断薬トーワミン、アーチスト、ソラシロール,セロケン比較的若い世代の高血圧に強い
α遮断薬カルバドゲン早朝に血圧が上がるタイプの人に効果的。最新のガイドラインからは消えてしまった
利尿剤トリスメン、ラシックス、フロセミド、スピロノラクトン余分な水分や塩分を体の外に出す



気になる副作用

副作用はグループ毎に特徴のあるものと、グループ内の特定の薬にのみ見られるものがあります。
グループ
副作用
1.カルシウム拮抗薬 頭痛、動悸、歯肉肥厚など
2.ACE阻害薬 空咳(「たん」のからまない乾いた咳)
3.ARB特になし
4.β遮断薬 気管支喘息の人は使用できない、脈が遅くなる
5.α遮断薬 起立性低血圧(立ちくらみ)
6.利尿剤電解質の異常


グレープフルーツジュースとの飲み合わせ

血圧の薬でグレープフルーツジュースと一緒に飲むと良くないのは、カルシウム拮抗薬というグループの薬ですが、アムロジピンやジルベイトはほとんど影響ないといわれています。
逆にリオハードに対しては薬の力を4倍近く強め、時間を空けて飲んでも影響があり注意が必要です。

一番大事は『減塩』

高血圧は生活習慣病で、メタボリックシンドロームの指標の一つです。
薬も大切ですが、欠かせないのは生活習慣の改善です。
野菜、果物を多めにとり、肉や魚はある程度、運動して減量、酒は適量、タバコは控える。
そして一番大事なのが「減塩」です。
日本人は一日平均11〜12gの食塩を摂取しており、世界の基準(WHO)では高血圧の人は6g以下にするようにと言われています。
かなり難しそうですが「高血圧になったから減塩」ではなく日頃から気をつけたいものです。