血圧のはなし なぜ高血圧は悪い?

北見病院 医長 武田雄太
高血圧の基準

生活習慣病の代表的疾患である高血圧は、我が国において医療機関を受診する患者中、もっとも頻度の高い疾患です。
現在の高血圧の治療指針は次の通りで、いずれかが高ければ高血圧と診断して治療することが勧められています。

合併症のない成人の目安
診察室血圧(健診や医療機関で測定)140/90mmHg
家庭血圧 135/85mmHg
24時間自由行動下血圧 130/80mmHg

家庭血圧をチェック

家庭血圧は、左の表のように測ります。
家庭血圧をこまめに測定し、記録をつければ、血圧の日内変動を知ることができ、それによって、*白衣高血圧、早朝高血圧の診断や、治療薬の効果の判定を行うことができます。
そのため、高血圧を診断・治療するときには、家庭血圧を把握することが大切です。
*白衣高血圧:家庭では問題のない血圧の方が、医療機関で計測すると高血圧になること。

年齢とともに血圧も上がる

 循環器疾患にかかわる調査では、30歳以上のうち高血圧の基準を満たす割合は男女合計でおよそ50%。
年代別では30歳代でも既に14%、40歳代で30%、50歳代で50%、60歳代では66%、70歳以上では77%に達することが示されています。
外来診療でも遭遇する機会が多いにもかかわらず、高血圧と診断されていた割合は23.7%、さらに高血圧の薬を毎日内服していた割合は52.5%に留まっています。
さらに高血圧の治療目標値まで十分に血圧治療を受けている割合は、血圧の薬を飲んでいる患者さん全体の約1/4にすぎません。

高血圧は自覚しにくい

 血圧が高いだけでは自覚症状は殆どありません。
このため高血圧でありながら、検診を受けていないために自分が高血圧であることを知らない方、高血圧と指摘されていながら医療機関を受診せずに放置している方、高血圧の治療は受けていながらも血圧のコントロールが不十分な患者さんが多いのが実情です。
 外来で毎日診療していますが、血圧のコントロールが不十分な方は全体の半分以上と思われます。
また毎年の検診で明らかな高血圧を指摘されているにもかかわらず何年も放置されている方も働き盛り世代を中心に見受けられます。

重篤な病気の原因にもなる高血圧

 高血圧を放置することによって、脳卒中、認知症、心筋梗塞、心不全、腎不全など大変な病気になる危険性が高まります。
これらの高血圧に起因する疾患を防止するためには高血圧の早期診断と、より確実な血圧管理が望まれます。
高血圧の可能性あり、あるいは高血圧と診断されたあなた、まずはかかりつけの医療機関にご相談されることをお勧めします。