冬の感染症
― 感染性胃腸炎  ノロとロタ  ―

北見病院診療技術科
主任 田中裕之(検査技師)


      
感染性胃腸炎って?

細菌やウイルスが原因で、下痢やおう吐などを引き起こす病気を「感染性胃腸炎」といいます。
特に冬から春先にかけて流行るのが、ノロウイルスとロタウイルスの感染性胃腸炎です。

どのようにして感染するのか?

ノロもロタもウイルスが手、タオル、衣服、掃除用具、環境(トイレや吐いた場所や器物)などから口に入ることで感染します。
目には見えない汚れでもウイルスが含まれていると、触った手を介し、口に入りうつります。
また、ウイルスが付いた手や器具で調理された食品を食べるとうつります。
便やおう吐物が付いて乾いた雑巾や衣服、寝具などのホコリにウイルスが含まれていて口に入りうつることもあります。
このほかにノロウイスルは、二枚貝(牡蠣)などでウイルスが付いた食物を生や良く火を通さずに食べるとうつります。

症状と経過

ノロウイスル感染症は、感染してから症状が出るまで半日〜2日です。
ほとんどの方は、激しい下痢やおう吐が1〜2日続き、3日ぐらいで治ります。
熱は37℃程度が多いです。
しかし、症状がなくなっても、ノロウイルスはまだ腹の中にいて、2週間〜1ヶ月は便の中に出てきますので、その間は便を介して他人にうつる可能性があります。 
ロタウイスル感染症の特徴は、乳幼児(生後6ヶ月〜2歳)に多く、下痢便は白いのがノロウイルスとの違いです。
ノロウイルスより症状が出るまで時間が少し長く、1〜3日です。
発熱は半日から1日程度、激しいおう吐が1〜2日、激しい下痢が3〜8日続きます。
どちらも下痢をしますので脱水に注意が必要で、特に乳幼児や高齢者は重症化することがあります。
また、ふつうのカゼと違い呼吸器症状(咳・鼻水など)がないのも特徴です。

感染予防

どちらも感染力が非常に強く、人から人への感染は、便・おう吐物が原因です。
目に見えない汚染でも、強力な感染力です。細心の注意が必要です。
1. 石けんと流水による丁寧な洗い残しのない手洗いが最も重要な感染予防です。
排便後、おう吐物の処理後、外出後、食事前、口に手を持っていく前には必ず手を洗いましょう。流水と石けんで15秒以上しっかり洗いましょう。

2. 排便、おう吐物の片付け
便やおう吐物には、大量のウイルスがいます。
ウイルスを広げないように、汚れた場所を清浄、消毒しましょう。
どちらのウイルスも便座クリーナーや消毒用エタノールでは効果がなく、次亜塩素酸ナトリウム(市販の塩素系漂白剤)や加熱(85℃ 1分以上)により消毒することが重要です。
当院のトイレには次亜塩素酸ナトリウムに浸したガーゼをトイレ内に常備してあります。
排便後には個室内の消毒にご協力下さい。自宅で下痢や嘔吐の症状がある家族がいる場合も同様のトイレ内消毒が他の家族への感染予防に必要です。
詳しい消毒方法の説明は、北見保健所のホームページにあります。
また、当院にも用意していますので事務職員に声をかけてください。

大事なことは手洗いです!

 感染予防で最も重要なのは、手洗いです。
インフルエンザもはやっています。
様々な病原体から身を守るためにこまめな手洗いを心がけましょう。