もの忘れと認知症

医師 小川瑞穂

      
 11月20日に開かれた北見西友の会主催の医療懇談会の内容を、小川先生に要約していただきました。


高齢化社会という言葉が叫ばれて久しくなっていますが、高齢者が増える社会では必然的に認知症を患う方も増えていきます。
認知症の患者数は、10年後には300万人に達するといわれています。
認知症は決して他人事ではないのです。

最近では数多くのマスコミで認知症が取り上げられています。
しかし、情報が溢れる中でも、認知症はきちんと理解されているとは言い難いところがあります。
今回の健康相談会では、認知症に関して基礎的な部分をわかりやすく解説し、単なる物忘れとの違いについて説明をしました。


『昨日の朝ご飯は何を食べましたか?』
 さて、この質問に正確に答えることができたでしょうか?
答えられないからといって認知症を疑うということはありません。
とっさに聞かれたら私も答えられない質問です。

ご安心ください。食べたものを忘れる、もしくは忘れてもヒントを出すと思い出す状態は「単なるもの忘れ」です。
しかし、この質問に対して食べていたのに『食べたっけ?』『食べてない!』と答える方は注意が必要です。

 認知症は単なるもの忘れの延長線上にあるものではありません。
『機能が低下し、日常生活に支障が出る』れっきとした病気です。先の質問では、食べたこと自体を覚えていない状態は「認知症」が疑われます。
また、出来事を忘れている自覚がなかたり、忘れたことを気にしなくなったら要注意です。

早期発見が早期治療につながる
認知症の症状の特徴の一つに、前述した『自覚のなさ』が挙げられます。
この病気は、熱も出なければ、どこも痛くありません。
一番の症状の忘れるということも自覚がないので、自分では病気と気づくことが難しい病気なのです。

 本人すら気づくことができない病気であるがゆえに、初対面の診察室で我々医療スタッフが気づくことも、また困難です。
ですから、普段から一緒にいるご家族の何気ない違和感が大切です。
早期発見が早期治療につながります。
早期治療がその後の進行を鈍らせます。
何かに気が付いたらまずはお近くの病院で相談してみましょう。