お腹の聴診器 腹部超音波検査(エコー)

診療技術科 牧野明子
(臨床検査技師)


『腹部超音波検査(エコー)』ということばを一度は耳にしたり、実際に受けたりしたことがある方は多いでしょう。
この検査の特徴と、どういう臓器を見ていてどんな病気がわかるのかお話しします。

からだにやさしい検査
超音波検査とは人間の耳には聞こえない音(超音波)を身体に当てて、反射してくる超音波を画像にしてからだの内部を調べる検査で、一般的にはエコー検査と呼ばれています。
この検査はX線検査とは違い放射線の被ばくはありません。
胎児にも使えるほど安全で、苦痛もなく手間もかからないため、検診などにも多用されています。
エコー検査はお腹の聴診器ともいわれ、お腹が痛いときをはじめ、お腹の臓器(図参照)の具合を見るときに、最初に行う検査です。

なにを調べてるの?
腹部エコー検査では、主に肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・ひ臓などの臓器に異常がないかどうかを調べます。
また、膀胱・前立腺・婦人科・腹部大動脈なども調べることができます。

では、これらの臓器を観察した結果どういった病気がわかるのでしょうか。
エコーでは実に様々な病変を見つけることができますが、中でも脂肪肝、のう胞、胆のうポリープなどが多く発見されています。
ただしこれらの病変は多くの場合治療の必要がないものであり、おおむね経過観察で十分です。

また、胆石・腎結石などの発見も可能です。
これらも発見されれば直ちに治療が必要かというと、そうではありません。
無症候性胆石あるいは無症候性腎結石といって一生症状をおこさずに終わるものも相当あるからです。

早期のがんも発見できる
そして、腹部エコー検査で発見される悪性腫瘍、すなわち「がん」には肝臓がん、胆のうがん、膵臓がん、腎臓がんなどがあります。
これらのがんは、超音波が検査機器として使用される前は発見時にかなり進行した状態が多く、予後不良のがんとされてきました。
しかしエコー検査の普及に伴って、かなり早期のがんが発見されるようになり治療成績が向上しています。

皆さんも血液検査や尿検査などの結果で、腹部エコーでの検査が必要となった時には、恐れることなくエコー検査を受けられることをお勧めします。
お腹の他にも甲状腺や関節の観察をしたり、動脈硬化の具合や心臓の機能を検査したりすることもできます。上手に利用し病気の早期発見、健康づくりに役立てましょう。