おなかのカゼ

医師 五十嵐聖名子 


おなかのカゼってご存知ですか?急性胃腸炎という言葉は耳にしたことはあるでしょう。

毎年冬になると流行しはじめるこの胃腸炎。「かからない!」「かかった時の対応法を知る!」ことを目標にこの冬を過ごしてみませんか?

原因の多くはノロウイルス
急性胃腸炎の原因の多くはノロウイルスと言われますが、検査で同定することは困難です。
そのため典型的な症状や経過など、ノロウイルスの特徴を知ることが重要となります。

<特 徴>
冬季に流行します。毎年11月・12月に急増し、3月・4月以降減少します。
人から人に感染しますので、家庭内で次々発症することも珍しくありません。
また吐き気が強いことも特徴のひとつです。
ノロウイルスは、「人から人に感染する」形式と貝類などから感染する「食中毒」の感染形式をとることでも有名です。

<経 過>
「最初は、吐き気・嘔吐があって今は落ち着いてきたけど、今度はトイレに行くたびに水のような下痢便が何回もある」一言でまとめるとこのような経過をたどります。

最初はみぞおちの辺りが痛くなり、嘔吐が中心です。通常、嘔吐は24時間程度でピークを越え、その後頻回な下痢が始まります。


予防法は?
1にも2にも手洗いです。
昔から大事とは言うけれど…実は世界的にも研究されており、手洗い教育だけで31%予防できるという結果もあります。
家庭の手洗いは一緒に住む家族を胃腸炎から守ることにもつながります。
食事前はもちろん、帰宅後やトイレ後には必ず手洗いを心がけましょう。
また、塩素系の洗剤(ブリーチ・ハイター等)を50?100倍に薄めて、みんながよく触るドアノブや受話器などを雑巾で拭くことも効果的です。

受診のタイミングは?
ふつうの経過からはずれている時は、他の病気である可能性もあります。
例えば「24時間以上続く、吐き気・嘔吐のみ」「下痢や腹痛がない胃腸炎」などです。
胃腸炎を予防するワクチンはなく、また特効薬も存在しません。治療は脱水をいかに防ぐかが重要です。みるからにぐったりしていたら、早めの受診をおすすめします。

脱水を補正する
「ふつうのスポーツドリンクでいいですか?」とよく質問されます。
答えはノーです。
急性胃腸炎では、食事や飲水で補給ができないにも関わらず、尿や汗・下痢により多くの水分が失われます。
この際、水だけではなく、電解質(ナトリウムやカリウム等)も同時に失われるため、補給する必要があります。

しかし一般的なスポーツドリンクは糖分が多く、電解質が少ないため、急性胃腸炎の体では上手に吸収・補正ができません。
おすすめはドラッグストアにもある「OS-1」です。
成分をみると"重湯に塩をまぶす""梅干しをのせて食べる"ことは理にかなっているとつくづく思います。
「OS-1」のような飲み物(経口補水液)は、砂糖・食塩・果汁(レモンやグレープフルーツなど)があれば、自宅でも簡単に作れます。
もし、かかってしまった際はおためしください。