これからの季節の感染対策〜ワクチンの話〜

オホーツク勤医協北見病院
 薬剤科 科長
上牧 弘幸


これからの季節、病院を受診される患者さんで多くなるのが熱、咳、鼻水、のどの痛みなどの症状がある方です。

そのほとんどがウイルス性の上気道炎、いわゆる'風邪'ですが高齢の方では気管支炎、肺炎など「細菌」による感染症を起こしている方も少なくありません。
また'風邪'の原因となる色々なウイルスのなかでも「インフルエンザウイルス」による感染症だけは症状や感染力が強いことから「インフルエンザ」として区別されています。

平成23年の調査では肺炎は65歳以上の死因TOP5に入っていますし、インフルエンザも時として命取りになることもあり、できれば感染しないようにしたいものです。
感染を防ぐ手段として有効なのがうがい、手洗い、栄養に休養そして病院で受けられる「ワクチン」です。

ワクチンのはたらき
ワクチンの正体は実は病原体(ウイルスもしくは細菌)そのものなのです。
もちろん病気を引き起こす力は人工的に失くしてあります。
ワクチンを接種することでヒトが元々持っている異物と戦う力(免疫力)にその病原体の姿を覚えさせ異物と戦うための準備ができます。
そうすると本物の病原体がやってきた時に、戦う準備をしていた免疫力がすぐに活躍して体から排除してくれるわけです。

したがって、インフルエンザウイルスと戦う準備をするならインフルエンザワクチンを、肺炎球菌と戦う準備をするなら肺炎球菌ワクチンをというようにそれぞれの感染症にそれぞれのワクチンがあるわけです。
しかし免疫力もすべての異物の姿をいつまでも覚えていることはできません。
インフルエンザウイルスに対する免疫力は約1年でほぼその姿を忘れてしまうので毎年インフルエンザワクチンを接種する必要があるのです。
ちなみに、肺炎の原因になる細菌のひとつ「肺炎球菌」にたいする免疫力は約5年間と記憶力に差があるのでワクチンの接種間隔も違います。

ワクチンを接種してインフルエンザ゙、肺炎の重症化を防ぎましょう
ワクチンは特に重症化するリスクの高い方(高齢の方、糖尿等の基礎疾患を持っている方、ステロイド薬等の免疫抑制作用のある薬を服用している方)は接種することを強くお勧めします。

また集団生活を送る方(学校や仕事で他人と接する機会の多い方)も自分が感染するリスクや集団感染を起こすリスクも下げられるので接種しておいたほうがよいでしょう。

北見市では65歳以上の方へワクチン接種費用の助成を行っており1000円で接種することができます(11月〜1月)。
当院では65歳未満の友の会員は1860円で、それ以外の方は2160円で接種できます。
通常診療時間であれば予約は必要ありませんが、予約診療としている時間(火曜の午後や土日)にワクチンのみ(検査、処方なし)の予約枠を設けています。
予約制なので通常の診療に比べ待ち時間が少ないですのでご利用ください。

また今年の10月から「肺炎球菌」ワクチンも助成対象になりました。自己負担額は2500円(税込)です。

対象になる方は今年度65歳、70、75、80・・・と5歳刻みの年齢になる方で今まで一度も接種したことがない方です。
今現在は一生に2度までしか投与できないことになっていますので接種するタイミングは医師と相談して検討することが重要です。
助成対象ではない方については今まで通り当院では6200円で接種できます。


これからの季節、十分な栄養と休養で風邪に負けない体作りを行い、日々の手洗いうがい、そしてワクチンで北海道の長い冬を元気に乗り越えましょう。