クスリはリスク(=危険性)

 
オホーツク勤医協北見病院 五十嵐衣つ華(医師)


札幌の勤医協中央病院より4月から赴任した五十嵐衣つ華といいます。
所属は北海道勤医協 総合診療/家庭医療/医学教育センター(GPMEC)。
病院で働く頼れる家庭医を目指して奮闘中です。
まだまだ若造ですが、よろしくお願いいたします。

今回は薬の危険性についてのお話です。
「クスリはリスク」医療界では有名な回文です。

いろんな病院、いろんな科があって、みんないろんな病気をもっていて、そしてもちろんいろんな「くすり」をのんでいますよね。
さてみなさん、以下、思い当たることはありませんか?
@5種類以上薬を飲んでて、薬だけでおなかが一杯だわ。
A自分の飲んでいる薬についてよく知らない。
  医師や薬剤師に任せとけば安心安心。
Bこんなにくすりを飲んでいるのに、体調がすぐれない。なにかいい薬はないかな。
C実は薬なんて、もらってきてもほとんど飲んでいない。これは内緒。
D先月もらった薬、まだ余ってるんだけど、面倒だから「同じでいい」って言っちゃった。もしくは、先生忙しそうで、言い出せなかった。

ポリファーマシー
今、ポリファーマシー(=くすりの多剤併用)の害が話題になっています。
これに関わる研究も多々ありますのでいくつか紹介します。

・85歳以上の超高齢の救急患者では合併症に伴うポリファーマシーが入院リスクとなる。
・アメリカでは毎年400万人以上の救急室受診が薬物関連で、そのうち半分は処方薬、27%は市販薬である。

くすりが増えることでお互いの作用に影響を及ぼしたり、思わぬ副作用が出現したりして、その副作用を治療するのにまたくすりが増える。
くすりが増えることでくすりの飲み方が複雑になって、飲むのをあきらめてしまい、病気が悪化する。
病気が悪化したから、またくすりが増える。

ポリファーマシーの悪循環、そしてまさに「クスリはリスク」です。
大切な薬はしっかり飲み、不要になった薬は出さない、飲まない。この当たり前のことが完璧にできている施設は日本全国探しても、ありません。
医師や薬剤師の努力はもちろんのこと、他の医療施設との連携も大切だし、やはりくすりを飲む本人や家族も一緒に考えてもらうことが一番重要だと思います。

勤医協北見病院のくすりは無駄なくよく効くね!自分の体に入る大事なくすりについて、気軽に相談できる病院、そこの医師でありたいと思います。