便潜血反応検査について

医師 武田 雄太

 
「捨てるウンコで拾う命」と言われる便潜血反応検査。
自宅で専用容器に2日間分の便を採って送るだけという、もっとも簡単で手軽な検査です。
40代以上になると健診に組み込まれることも多くお馴染みの検査ですが、どのような意義があるのでしょうか。
便潜血反応検査の意義と便潜血反応陽性が判明した場合の精密検査についてご紹介します。

検査の意義と限界
大腸癌の表面はもろく、出血しやすいため微量の出血が便に付着しやすくなります。
そこで大便中の血液混入を調べれば、ある程度大腸癌やポリープの有無を推測できます。
これが便の潜血反応を利用した大腸癌検診です。
自覚症状もない人に大腸のX線撮影や内視鏡検査などを行うことは医療費や検査が出来る医師数を考慮すると現実的ではないため、まず便潜血反応検査を行い大腸内視鏡検査等の二次検査の対象者を絞り込むわけです。
統計上は便に血液が混じっていた場合、約3%で大腸癌が、約20%で治療を要する大きさのポリープが見つかります。

 しかしながら、かなり大きな大腸癌やポリープでも毎日出血しているわけではありません。
進行癌では約80〜85%が便潜血反応陽性になりますが、早期癌では約40%しか陽性になりません。
換言すると早期癌で60%、進行癌であってもなお15〜20%が検査に引っかからないことを意味しており、便潜血反応検査が陰性でも大腸癌が存在しないという保証はありません。
 
精密検査について
よって便潜血反応陽性と判明した場合、精密検査の代わりに便潜血検査を再度行う意味はありません。
1回でも便潜血反応陽性が判明した場合、精密検査を受けて頂くことをお勧めいたします。
当院では@注腸バリウムX線検査、A大腸内視鏡検査を実施しております。X線検査では放射線被曝の問題と、S状結腸など消化管が重なった部位の評価の難しさという問題があります。
一番のお勧めは大腸の内部を直接観察できる内視鏡検査です。

 ここで「内視鏡検査はこわい、おっくう」という声を外来で耳にすることもありますが、前述のように便に血液が混じっていても治療を要する病変が見つかる確率は20%程度で、残り約80%は病的な異常所見がないのが実情です。
検査して異常が無ければひと安心。
また、大腸癌は早期発見して治療できれば身体への負担も軽く済みますし、100%近く完治するといわれています。

大腸癌は早期の段階では自覚症状がないため、定期的に調べることが重要です。
年に一回、特定健診と合わせて便潜血反応検査を受けて頂けると幸いです。


  *北見市ホームページより
北見市の大腸がん検診<個別検診>

対  象
平成28年4月1日現在満40歳以上の方で、職場等でがん検診を受診する機会のない北見市民
検診内容
大腸がん:便潜血検査
自己負担金
600円
自己負担金
免除者
(1)70歳以上の方(昭和21年4月1日以前に生まれた方)(事前申請不要)
(2)満40歳の方(昭和50年4月2日〜昭和51年4月1日の間に生まれた方)(事前申請不要)
(3)後期高齢者医療被保険者(事前申請不要)
(4)生活保護世帯に属する方、市民税非課税世帯に属する方(事前申請が必要です)
実施期間
6月1日から翌年2月28日まで
その他
詳細は、広報5月号折込ちらしなどで確認または、各自治区に直接お問い合わせ下さい