糖尿病と腎臓病

薬剤科長 上牧 弘幸
    
糖尿病を患う人は年々増え続けていて、最近の調査では800万人、その一歩手前の境界型を含めると2000万人といわれており、6〜7人に1人は糖尿病かその予備軍で特に地方ほど割合は高くなっています。
読者の方にも糖尿病の方がいらっしゃるでしょうし、身近にいる人が糖尿病だという方もいると思います。
そしてそれは自分の身にも起こる可能性があるということなのです。

糖尿病の話はなんでも健康相談室でも何度も取り上げられていますが、今回は合併症、特に腎臓病についてお話したいと思います。

糖尿病の進行は腎臓病を引き起こします
糖尿病のコントロールが悪い状態が続くと腎臓も痛んできます。
腎臓は老廃物を外に出す臓器ですが、少しくらい痛んでいっても症状は現れません。
しかしだんだんと悪くなり働きが弱くなると、おしっこが作れなくなり、体に水がたまってむくんだり、老廃物がたまってだるさが強くなったりします。
さらに、腎臓は骨髄に赤血球を作る指令を出しているので、その機能が低下すると貧血になっていきます。

残念ながら現代の医療では一度悪くなってしまった腎臓は元には戻りません。
症状が出てからあわてて治療してもあとの祭りで、進行は遅らせることはできても最終的には腎臓が使い物にならなくなり、人工透析が必要になってしまうのです。
ですから、糖尿病の治療は、症状がない状態からの治療=合併症の予防が大切なのです。

腎臓病は早期発見が大切です
毎月糖尿病で通院されている方は、尿検査をしていると思います。
あれは糖だけでなく、腎臓の状態もみています。
初期の症状がない頃でも尿からタンパクが出てくるようだと、腎臓が痛み始めているということが分かるのです。
腎臓が痛んでいる初期の頃から対策を始めれば、腎臓の寿命をずっと延ばすことができます。
寿命を向かえるまで透析にならないのが腎臓病治療の一番の目標なのです。

患者さんに合った療養を専門職が一緒に支えます
今、北見病院では透析予防にも力を入れて取り組んでいます。
腎臓病はその重症度に応じて、治療内容が変わり、個別性を重視した療養支援が必要です。
腎臓の寿命を延ばすために、患者さんにとってより良い治療や療養を支援する取り組みを、医師をはじめ看護師や栄養士、薬剤師、リハビリ技士や事務職員でチームを作って行っています。

今回は腎臓病のお話しのみでしたが、他にも合併症では足や目の話もありますし、栄養や運動の話、薬の話、治療に関わる医療費の話しなど、糖尿病に関わるお話はたくさんの話題があって健康のためには正しい情報を知っていて欲しいのです。
北見病院では病院内で糖尿病教室を定期的に開催し、糖尿病に関する話を聞くことができます。興味がある方は申し込み不要ですので是非参加してください。もちろん無料です。


(糖尿病教室のご案内)

日時:偶数月 第4木曜日 14:00〜
場所:友の会室

8月のテーマ:運動療法について