C型肝炎と最近の治療法について

北見病院 診療部長 草間 敬司

C型肝炎とはC型肝炎ウイルスに感染することによってひきおこされる肝臓の病気です。

このウイルスに感染すると約70%の人は自然に治ることはなく持続感染の状態となり、20―40年かけて肝硬変や肝臓がんに進行していくことがあります。

しかし肝臓は'沈黙の臓器'と言われるほど予備能力が高いため、ほとんど自覚症状がないままに病気は進んでいきます。

ほとんど自覚症状がないことと、比較的ゆっくりすすむこの病気の特徴のため、C型肝炎ウイルスに感染していることを知っていても治療を受けていなかったり、自分が感染していることを知らないでいる方がたくさんいます。

日本では肝臓がんで年間3万人以上が亡くなっていますが、その約65%はC型肝炎ウイルスが原因です。


C型肝炎ウイルスの感染経路
C型肝炎ウイルスは感染者の血液が体内に入ることで感染します。
現代の日常的な生活では新たに感染することはほとんどないと考えられていますが、次のような項目に当てはまる場合は感染のリスクが高いと考えられますので特に血液検査が必要です。
〇1992年(平成4年)以前に手術や出産などで輸血を受けた。
〇過去に大きな手術を受けた。
〇家族に肝炎ウイルスの感染者や肝臓がんのひとがいる。
〇血液透析を長期間にわたって受けている。
〇過去に血液製剤の投与を受けたことがある。
〇適切な消毒をしていない器具で入れ墨やピアスの穴をあけたことがある。
〇覚せい剤や麻薬を使用した経験がある。
〇健康診断などで肝機能異常を指摘されたが、肝炎の検査を受けていない。


検査について
C型肝炎に感染しているかどうかは簡単な血液検査で分かります。
これまで肝炎ウイルス検査を受けたことがない方は一度は検査を受け、感染の有無を確認しましょう。

最近の治療法
体内からウイルスを排除すれば肝硬変や肝臓がんに進展するリスクを大きく下げることができます。
しかし持続感染しているC型肝炎ウイルスが自然に排除されることはありません。
このウイルスを薬で排除するのを抗ウイルス療法といいます。

血液検査と腹部超音波検査で肝臓の状態を詳しく調べてからどのような薬を選ぶか検討します。
従来はインターフェロンという注射による治療が主に行われてきましたが、最近では1日1−2回服用する飲み薬だけで治療できるようになりました。
飲み薬の服用期間は3−6か月間で副作用など治療による体への負担は少なく、多くの場合は治療のために入院して仕事を休む必要はなく、日常生活への影響はほとんどありません。
薬の服用中は原則として2週間に1回程度通院していただき、採血などを行います。
治療費については、国の助成制度があるため、世帯の市町村民税課税年額によりますが、ひと月あたり10000円または20000円です。

C型肝炎は症状がないまま進行します。
感染しているかどうかは血液検査でしかわかりません。
将来の健康のためにも一度は肝炎ウイルス検査を受けましょう。