入院中の認知症高齢者のケア

オホーツク勤医協北見病院 病棟看護主任 村上 浩子

地域の高齢化が進む中、北見病院でも認知症をわずらった方の入院が増えており、入院中の認知症患者さんへの適切な医療やケアの向上が求められています。
今回は入院中の認知症ケアについてお話しします。

入院中の高齢者に多く見られる認知症症状
一時的なせん妄症状・・・入院による環境変化や病気、薬によって、一時的に幻覚・妄想・興奮・時間や人・場所が認識できなくなるなどの症状で、病状の回復に伴い改善します。
入院中に生じた混乱状態やせん妄が認知症の発症につながることがあります。

症状や苦痛を言葉で上手く表現できない・・・症状が見落とされ、状態が急変したり、合併症を引き起こしやすくなります。
入院中のストレスや混乱から治療や看護への抵抗など認知症が重度化する場合があります。

居心地良い入院環境づくり
入院による環境の変化のストレスを最小限に抑えて、居心地の良い入院環境を作ることがポイントです。
愛用しているものや身近に置いてあるもの(例えばいつも使用しているタオル、家族の写真)をもってきてもらい、目の付くところに置きます。
時計やカレンダーを必ず見えるところに置いて、いつも自覚できるようにします。
眼鏡や補聴器を使用して、感覚の障害を補います。
また、訪室の際は誰なのかを名乗り、安心できるような表情・態度・声の調子で接します。
さらに、入院前の生活習慣で行っていることをケアの中に取り入れてます。ご家族の協力も大切な看護です。

「せん妄」とそのケア
「せん妄」が起こると点滴を抜く、酸素の管を外してしまうなど治療が安全に受けられなくなります。
そこで、「いつもとちがう」「もしかしてせん妄を起こすかもしれない」という予測のもと、「せん妄」を予防する事がポイントになります。
例えば、点滴は見えないように、管を袖に通し襟から出す、点滴も見えないところに置く。
「大事な管です。大事にしてくれてありがとうございます」等の声かけをします。

しかし、やむを得ず、安全に治療を受けられない場合、身体拘束をすることがあります。
その場合は、点滴を早めにやめられるように食事の開始や内服薬への変更の調節をしたり、早期にベッドから離れて食事や、排泄ができるようにかかわります。

北見病院病棟では、認知症看護の研修を受けた看護師を配置し、今年1月から「認知症ケア加算」を取得しています。
医師、リハビリ科、薬剤科、栄養科、退院支援看護師と連携し、チームで患者さんへのケアを実践しています。
認知症高齢者の方が安心して、入院生活を送れるよう、その人らしさを大切にする看護、介護の提供に取り組んでいきます。