〜ワクチンの話〜

薬剤科 科長
上牧 弘幸

最近、朝の通勤で自転車をこいでいると空気が冷たく冬の足音が近づくのを感じるようなりました。
またしばらく自転車が乗れなくなってしまうと思うと気が重たくなってしまう今日この頃。

この季節になると流行りだすのが風邪。
なかでもインフルエンザは学校を休校にしたり医療機関や介護施設の出入りを制限したりと、強力な感染力を持ち時には命を脅かします。

感染を防ぐ手段に「ワクチン」があります。

ワクチンを接種することでヒトが元々持っている異物と戦う力(免疫力)にその病原体の姿を覚えさせ異物と戦うための準備ができます。
そうすると本物の病原体がやってきた時に、戦う準備をしていた免疫力がすぐに働いて、増殖する前に体から排除してくれるわけです。

ですので、インフルエンザウイルスと戦う準備をするならインフルエンザウイルスを免疫力に覚えてもらい、肺炎球菌と戦う準備をするなら肺炎球菌を覚えてもらうというように、それぞれの感染症ごとにワクチンがあるわけです。

最近、帯状疱疹を予防するワクチンも使用することができるようになりました。

帯状疱疹とは、湿疹が帯状に広がり痛みを伴うことが多い皮膚疾患です。
1ヶ月くらいで湿疹自体は治癒してもその後の神経痛が残ったり、顔に出来てしまうと視神経や顔面神経に障害を残してしまうこともあります。
水ぼうそうと同じウイルスが原因でほとんどの人の体内、特に神経に潜んでいて、加齢や病気などにより免疫力が落ちてくると、ウイルスが活動を始め発症します。
ワクチンは子供の頃に一度身につけた免疫を思い出させてくれます。


薬と同様にワクチンにも接種による害があることがあります。
ちなみに副作用とは呼ばず「副反応」と呼びます。
社会問題にもなった「HPVワクチン」の神経障害のような大きなものはまれですが、接種後に熱がでたり、筋肉痛のような症状がでたりすることがあります。
入院が必要になるような重大な副反応は国の救済が受けられるので必ず相談してください。

感染症を防ぐ上では日々の正しい食生活や運動、睡眠などで免疫力を高めておくことが大事です。
手洗い、マスク、流行している場所へ行かないなどの予防策をとることも有効です。
しかし、年齢を重ねるとどうしても免疫力は落ちますし、日々の努力だけでは防げない感染症もあります。
ワクチンも感染対策には有用ですので医療機関で相談してみてください。

今、当院で実施しているワクチンと有効期間などを表にまとめました
予防する病気
病原体
接種回数と期間
費用(1回)
インフルエンザインフルエンザウイルス毎年1回 一般:2160円
友の会員:1860円
公費助成対象者:1100円
帯状疱疹水痘ウイルス1回一般:6480円
肺炎肺炎球菌5年に1回 一般:6200円
公費助成対象者:2500円
日本脳炎日本脳炎ウイルス 特定の期間に受けた人
1回
一般:8294円
公費助成対象者:無料
B型肝炎B型肝炎ウイルス3回一般:3200円
麻疹・風疹麻疹ウイルス・風疹ウイルス1回〜2回 一般:9720円
要予約


注:表は全て成人の場合です。
公費助成対象者の費用については北見市にお住まいの方の場合です。北見病院は小児科がありませんので15歳未満のお子さんの対応はできません。
(インフルエンザワクチンのみ中学校3年生から接種できます)