地域包括ケア病床って何?


北見病院 病棟看護師長 米谷 孝次


地域包括ケア病床とは、急性期の時期を過ぎ、リハビリや退院支援を必要とする回復期にある患者さんや、在宅療養中に急な不調をきたした方を受け入れる病床です。

オホーツク勤医協北見病院では、2017年6月に一般病床の一部を地域包括ケア病床に転換しました。

今年2月からは10床に拡大して運用しています。


【住みなれた家での生活を支援】

急性期病院と在宅生活の橋渡しの役割が期待されており、早期からのリハビリと在宅復帰に重きが置かれているのが大きな特徴です。

入院期間は60日以内、1日のリハビリ提供が平均2単位以上、自宅や老人ホーム、高齢者向け住宅等への退院が70%以上などの要件を満たすことが必要なため、北見病院では地域包括ケア病床を利用していただく方を多職種で検討しています。

現在の医療制度では、1つの医療機関で治療からリハビリ、在宅のサービス調整など全て完結することが難しく、病状に合わせて病棟を移ったり、別の病院に転院される方もいらっしゃるかと思います。

入院期間も制度の制約から一般病棟での長期入院が出来ない仕組みになっています。

病気や日常生活動作の回復に時間のかかる高齢者や障害を持った方などは一般病床から地域包括ケア病床に移ることで、退院に向けてその方に合った退院支援を行なうことができます。

【多職種で退院の支援】

例えば、このような例があります。

Aさんは腰椎の骨折で急性期病院での治療を終えましたが、自宅に戻るには介護保険サービスが必要と判断されました。

介護認定調査は終わっていましたが、認定結果がまだ出ていないため、サービスを使うことができません。

そこで認定結果を待つ間、リハビリの継続と介護サービスの調整を目的に、地域包括ケア病床に転院してきました。

入院中に自宅に必要な手すりを設置し、デイサービス利用の準備を整え、住み慣れた自宅に戻ることができました。


このように、地域包括ケア病床では、患者さんは治療やリハビリを受けながら、望む場所での暮らしを行なうための準備を進めます。

病棟看護師をはじめ、退院支援部門の看護師や担当ケアマネジャーと連携しながら、患者さんや家族と共に支援内容や必要なサービス等を相談していきます。

トイレや浴室の手すり設置、段差解消の家屋改装などはリハビリ技士が一緒に自宅にうかがって福祉用具の選択などのアドバイスを行なっています。

訪問看護師や訪問ヘルパー、福祉用具担当者等が病院に集まり、安心して療養するための体制作りを話し合い、支援方針を確認しています。


北見市内の地域包括ケア病床は今のところ北見病院に10床あるだけです。

持病の管理をしながら病気であっても安心して暮らしていくために、この病床を活用していただけるようにしていきたいと思います。