臨床検査技師  田中裕之

■ 血液検査のお話し ■
 はじめに血液にはどのようなはたらきがあって、どのような成分が含まれているかお話したいと思います。
 血液は血管の中を流れていますが、血管は太いものから細いものまで全身にあり、一番太い心臓から出ている大動脈は三センチ前後もあります。
 全身の血管をつないだ長さは約9万キロ(地球を約二周分)あるそうです。


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血液のはたらき
 血液のはたらきですが、肺で取り込まれた酸素や消化管で吸収された栄養素を全身の組織(細胞)に運び、その結果不要になったものを集めるはたらきもあります。

 また、ウイルスや細菌などから体を守る働き(免疫)など、この他にもいろいろなはたらきがあります。  
   
 このように血液は、全身の血管の中を固まらずに流れていて、ヒトが生きていくうえで必要不可欠な役割を担っています。

血液はなにから出来ているのか
 それでは血液の中にはどのような成分が含まれているのでしょうか?
 血液は体重の約8%を占め液状成分と有形成分に分けられます。
 有形成分には赤血球、白血球、血小板があり、残りの液状成分には蛋白、糖、脂質などいろいろな成分が溶け込んでいます。
 健康なときはこれらの成分はバランスよく保たれているのですが、病気になるとその成分が増えたり減ったり、普段はない物質が血液中に出てきたりします。 それを調べるのが血液検査です。

検査の結果について
 一般的な健診などで行われている血液検査では、有形成分の数や、成人病の検査(糖、脂質など)、肝臓や腎臓などの機能を調べています。
 病気の種類によっては特殊な検査もありますが、今回は健診などでおこなわれている一般的な検査項目とその結果の見方を簡単にまとめてみました。

 この結果の見方は、一般的に考えられる病気を記したものであって、必ずしもこれに当てはまるとは限りません。
 正常値については、大部分が統一されているのですが、検査方法などで多少異なる場合があるので今回は記載しませんでした。
 また、検査項目によっては、多少正常値から外れていても、その日の体調や食事などにより変化することもありますし、逆に少しでも外れると病気を意味するものもありますので、健康診断などで異常が指摘された場合は、必ず病院で再検査や精密検査を受けるよ.うにしましよう。

・血清総タンパク・タンパク分画         おもに肝臓疾患の状態を表します
・GOT(AST)・GPT(ALT)・γGTP        肝臓疾患や心筋梗塞などで上昇
・ビリルビン(T-Bil・D-BH)             閉塞性黄疸などの肝・胆道疾患で上昇
・LDH                        肝臓疾患や心筋梗塞、白血病などで上昇 
・ALP(アルカリホスファターゼ)         閉塞性黄疸、骨腫瘍などで上昇
・CPK                       筋肉疾患、心筋梗塞などで上昇
・脂質検査(コレステロール、中性脂肪)    高値は動脈硬化の危険因子です
・尿素窒素(BUN)・クレアチニン         腎臓機能に障害があると上昇
・尿酸(UA)                     高値は痛風の原因
・血糖値                      糖尿病で上昇
・CRP                       炎症性疾患で上昇
・赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリット     貧血の診断に役立ちます
・白血球                      炎症や白血病で増加
・血小板                      血液疾患や肝硬変で減少

北見病院では検査結果をお渡ししています

 現在、北見病院では血液検査の結果を「血液検査の見方」という解説をつけて、患者さんご本人に結果をお返ししています。

 定期的に血液検査をされている患者さんは、ご自分の健康状態や療養の成果などを実際にご自分で確認できます。また、他の医療機関へ受診された場合にも、以前の血液データがあると診断に役立ちます。

 血液検査は、病気の程度を調べたり、治療の効果をみたり、病気の経過を判断するうえでとても大切です。

 したがって、医師から血液検査を受ける必要があるといわれた場合は、必ず検査を受けるようにしましょう。
 
 また、検査のことで解らないことがあった場合は、医師や看護師、検査技師などに気軽に聞いてください。