北見病院 医長 富田 薫

糖尿病はどんな病気


「生活習慣病」という言葉は、よく耳にする一般用語になってきましたが、その代表的な病気に、糖尿病、高血圧症、高脂血症があります。これらの病気は食生活、運動、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣とストレスがその発症・進行に大きく影響しているため、そう呼ばれています。

 これら生活習慣病は、はじめのうちは自覚症状もなく放置しがちですが、放っておくと全身の血管がいたんだり、狭くなることで 、血液の流れが悪くなったりします。(いわゆる動脈硬化です)  

その結果、心筋梗塞などの虚血性心疾患や脳卒中といった命にかかわる病気になってしまうことがあります。  

糖尿病とは  
人間の体は本来、血液中の糖分(血糖)を含め体内のいろんな環境を適正にコントロールする働きが備わっています。
血糖の場合は、インスリンというホルモンが、血糖の上がりすぎを防ぐ作用を担っています。  
インスリンは膵臓の中で作られた後、血管内に分泌され、 体の隅々まで送られて作用を発揮しますが、何らかの理由で体内のインスリンの作用が不足していたり、分泌が不足してくると血糖が上がりすぎて、その結果、代謝障害が起こり全身の細胞や血管などに障害をきたすようになります。

これが糖尿病です。

インスリンは糖をエネルギーにかえる  
インスリンとは膵臓(すいぞう)から出ているホルモンで、ブドウ糖の細胞内への取り込みを促進するほか、蛋白質のもとであるアミノ酸の細胞内への取込みや蛋白質の合成を促進する、脂肪酸や中性脂肪の合成を促進する、などのはたらきがあります。  血糖は本来、体中の細胞のエネルギー源ですが、細胞が糖を有効に利用してエネルギーに変えるためには、インスリンが必要となってきます。

しかし、インスリンが不足すると、 細胞が血液中の糖を有効に利用することが出来なくなり、その結果余った糖が血液中にあふれ、血糖が上がります。

糖尿病の種類
 糖尿病には、インスリン依存型インスリン非依存型の2種類があります。

・インスリン依存型糖尿病  
十五歳以下の子供や若くやせた人に多く、糖尿病全体で見ると3%がこの型です。急激に発症するタイプの糖尿病で、インスリンが分泌しません。 ウイルス感染などによる膵臓機能の低下が主な原因として考えられています。  この型の治療にはインスリン注射が必要になります。

・インスリン非依存型糖尿病  
糖尿病全体の90%以上を占めているのがこの型で、インスリンの分泌や作用が不十分なために起こります。 中高年になって発症することも多く、ゆっくり発症するのが特徴です。 原因としては、ストレス・遺伝的要因・肥満・運動不足などがあげられます。  この型の治療には、必ずしもインスリン注射は必要ではありません。

無症状で自覚しにくい
糖尿病の症状
 一般的に言われている糖尿病の症状は、表に示したとおりですが、糖尿病の症状は血糖コントロールの状態や、糖尿病になってからの期間、合併症の進行の程度、その他体調の影響などによって千差万別です。  糖尿病が恐ろしいのは、普通は無症状で自覚しにくいと言うことです。体重減少やのどの渇きなどの症状が出るときには、すでに血糖が極端に上昇し、体が糖を有効にエネルギーに変えることが出来なくなっており、かなり危険な状態になっている場合が多いです。

ですから、症状がなくても健診などで血糖や尿の異常が指摘された場合は、糖尿病の可能性を疑い精密検査を受けましょう。

また、糖尿病は遺伝の影響も大きい病気です。家系に糖尿病の方がいる場合は、注意を怠らないようにする必要があります。
 そして、糖尿病が恐ろしくてやっかいなのは、合併症を併発するからです。糖尿病治療の目標は、この合併症を防ぐことにあるといえます。

●糖尿病の一般的な症状

* のどが渇く
* 痩せてくる
* 体がだるい
* 疲れやすい
* 手足がしびれる

初期は無症状、自覚症状がある場合は、すぐ受診を!

 合併症については、次回お話をしたいと思います。

三つの合併症に続く